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【コピペでも】夫婦・家族のジーンとする話を集めるスレ【オリでも】
引用元:http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/tomorrow/1100174799/

596: 素敵な旦那様 2005/06/26(日) 14:35:24
チラシの裏にしてすまんが。

俺の両親は小さい頃からケンカが多かった。
オヤジが酒を飲むと暴れて、俺や妹弟やお袋を殴りつける。
その度に、近くに住む叔父が助けにきてくれたり、叔父宅に避難したりした。
叔父夫婦は子供がおらず、俺や妹や弟を実の子供のように大切にしてくれた。
そして、俺に「お前のオヤジはあーいうやつだからお前は大変だろうが、長男なんだから、妹と弟はお前が守ってやれ」と言っていた。
俺はオヤジから教わらなかったことを叔父からたくさん教わった。
俺にとってのオヤジというのは、実のオヤジじゃなく叔父だった。
父の日にオヤジではなく叔父の顔を書いて、それがオヤジにばれて鼻の骨が折れるほど殴られたこともあった。
それでも叔父を慕っていた。
アル中で入院し、一時大人しくなった時期もあったが、それでもオヤジの暴力は止むことはなかった
俺が25歳の時、7歳年上の彼女を連れて帰り「彼女と結婚したい」といった時酒に酔いながら「そんなババァと結婚するのは許さん」と年齢だけで反対したオヤジを説得してくれたのも叔父だ。
「お前の息子が一緒の伴侶として選んだ人なんだから、認めてやれ」と何日もかけて説得してくれた。
披露宴の二日前、父が飲酒して病院へ運ばれ、式に出られなくなった時、オヤジ代わりとして出てくれたのも叔父だった。
披露宴の日、俺に内緒で彼女の控え室へいき、こう言ったらしい。
「あいつは小さい頃から決して幸せとはいえない家庭で育った。だから、その分これからあいつには幸せになって欲しい。どうかあいつをよろしくお願いします。あいつと二人で幸せな家庭を築いてください」
そう言うと、深々と頭を下げた。
そして再び顔をあげたときには、両目から大粒の涙があふれていたそうだ。

597: 素敵な旦那様 2005/06/26(日) 14:35:45
それから8年経ったつい先日、叔父が食道がんで死んだ。
5月アタマに叔母から叔父が入院したと連絡があった。
いってみると、やせ細った叔父がベッドに横たわっていた。
食道がんでまともに物を食べることもできないらしい。
医者の話によると、かなり痛みもあったのではないか、とのことだが、我慢強い叔父はそれすら面に出さずに毎日過ごしていた。
ガンが大きくなりすぎて、胃カメラ(のようなもの)がはいることもできず、検査もままならないほどひどい状態だったらしい。
そして、そのままろくな治療もできないまま、叔父が死んだ。
叔父は死ぬ数日前に俺の手を握り「お前は俺の息子のようなもんだから、俺が死んだ後で嫁さんを頼む。力になってやってくれ」と言った。
自分が死ぬ恐怖より、自分の病巣の痛みより、自分が死んだ後の周りの人のことを気にする叔父の手は、骨と皮だけでもう死期が近いことを物語っていた。
大工をやっていた叔父は、誰よりもたくましく、誰よりも強くて、でも奢ったところはなく、優しい叔父だった。
そんな叔父でもやはり死ぬんだ。
そう考えると俺は涙がとまらなくなった。

そして、先日叔父は死んだ。
俺は結局、叔父に何一つ恩返しをできなかった。
それが口惜しくて口惜しくてしょうがない。
これから、おばさんの力になり、嫁と幸せな家庭をつくることだけが、唯一の恩返しと思うしかない。

598: 素敵な旦那様 2005/06/26(日) 14:36:46

ちなみに余談だが。
叔父が入院中のある日、嫁が叔父の夢をみた。
夢の中の叔父は、披露宴の時の背広姿で嫁に深々と頭を下げ
「どうかこれからもあいつをよろしくお願いします」とお願いしたらしい。
次の瞬間、眼がさめた嫁は隣にいた俺を起こし「今から病院へいこう」と言い出した。
夜中の3時半だった。
さすがにこんな時間には・・と思ったが、嫁が泣きながら言うので仕方なく準備をしていると、家の電話がなった。
叔母からの電話で、「たったいま叔父が亡くなった」というものだった。

当然、偶然かもしれない。
嫁は叔父が入院しているのを知っているし、おそらく死期が近いであろう事も知っている。
だから、その不安が見せた夢かもしれない。
でも、俺は、叔父が俺を心配して嫁に最後のお願いをしていってくれたような気がする。
まぁ、偶然って可能性の方が高いわけだがな・・・

599: 素敵な旦那様 2005/06/26(日) 20:49:50
>>596-598
「チラシの裏」なんかじゃない。いい話だ。
偶然だなんて決めつけず、叔父さんの優しさを信じようや。


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