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引用元:僕らの知らない生活をする人たち 11人目
http://life7.2ch.net/test/read.cgi/kankon/1127381142/

320: おさかなくわえた名無しさん 2005/10/08(土) 19:33:26 ID:KKsEz+in
探偵小説に出てくる保険調査員という職業ですが、日本でもあるのでしょうか?
すごーく気になってるんですけど。
既出だったら、何方かそのスレを教えてもらえますか?

344: おさかなくわえた名無しさん 2005/10/11(火) 01:24:51 ID:iJ/qY/lk
>>320

生保の支払部門に勤めていたのですが、怪しい支払請求には調査を入れていました。

具体的には
契約1年以内の保険事故(入院、手術、死亡)で契約前に発症している疑いが濃厚な場合 等です。

各生保には、契約している調査会社があって、支払査定をする上で「調査要」の判定がついたものを
その会社に調査依頼を出します。
保険調査会社といっても、普通に興信所や私立探偵みたいな感じで
近所や病院への聞き込み、その人の年収や借金の有無などを調査するそうです。




383: 1/2 2005/10/13(木) 16:04:58 ID:Aa4EyrnQ
>>320
損害保険の調査を専門にやっている調査員です。主に自動車保険ですが。

保険調査員が出てくる探偵小説というものを読んだ事はないのですが、
なんとなくハイリスク・ハイリターンな仕事をするカッコイイ探偵みたいなのを想像しますね。
実際の私達の仕事はハイリスク・ローリターンです。
そして危険(物理的に)・危険(社会的に)・危険(精神的に)の3Kな仕事です。

>>344さんの言う通り、保険会社で怪しい支払請求が発生した時や、過失割合をはっきりさせたい時等に保険会社から依頼が来ます。
一番多いのは過失割合をはっきりさせたい場合ですね。

具体的には、事故現場の道路形状を計測して図面を起す、その付近の道路標識の確認、信号機のサイクルの計測、目撃者を探す、等と結構地味な仕事です。
でも地味な割には命がけだったりもします。車が高速で走っている合間を縫って車道に飛び出して運転者からの視線で写真を撮ったりしますから。

また、半年も前の事故で警察にも届けてなくて相手も判らないが、ぶつけられて大破したという黒のベンツの運転者から事情を聴取して印をもらってくる、なんて仕事もありました。


384: 2/2 2005/10/13(木) 16:06:12 ID:Aa4EyrnQ
辛いのが事故の当事者からの相談される事です。
相手が死んでしまったが、今後自分はどう生きていったらいいのだろうか。とか。
相談されても調査員としてはどうしようもないのですが、当事者からすれば、警察以外で事故後に最初に顔を合わすのが調査員だったりする場合が多いのです。
事故処理の専門家のようなイメージがあるのかもしれません。

また、当事者の過失割合を少しでも軽くする為の情報を得る為に事情聴取しているにも拘わらず、
「早く保険金だせよゴルァ」的な態度で、少しも状況を話してくれない人もいました。
この場合、保険会社には、聴取に協力していただけませんでした、と報告するしかありませんでした。
その後、この人の過失割合がどのように決定されてしまったのかは知りません。

ここで明確にしておきますが、調査員には過失割合や保険金を決定する権限はありません。
決定する為の証拠集めが仕事です。そしてそれを基に保険会社が決定します。
特に過失割合を明確にする場合、保険会社は契約者の味方です。
自社側の過失割合を少しでも軽くしたいですから。
とは言え、証拠の捏造はできませんから、我々の出番となる訳です。

385: おさかなくわえた名無しさん 2005/10/13(木) 16:32:50 ID:KmX6URjw
>>383
>半年も前の事故で警察にも届けてなくて相手も判らない
完全に保険金詐欺の臭いが…

調査オンリーなんですね。
Witnessというドライブレコーダーは商売敵だと思うけど脅威なんでしょうか?
個人的には普及して欲しいと思っているけど。

386: おさかなくわえた名無しさん 2005/10/13(木) 20:34:08 ID:w4fjR4Ec
>>383
ホウレンソウならぬ、3Kという事なんですが、実際に危険を感じたことってありますか?

388: 383,384 2005/10/13(木) 22:05:40 ID:Aa4EyrnQ
>>385
ドライブレコーダーは商売敵と言うより強力な味方といった感じでしょうか。
事故の全貌を顕かにするには、交差点の形状、どちらが優先道路か、制限速度、交通量、等どうしても現場に行って調査しなければ分からないならないことがあります。
限られた画角を限られた時間で記録するドライブレコーダーだけでは分からない部分が多いです。
但し、どちらが先に交差点に進入したかとか、その時の信号の色、その時の速度といった核心部分がドライブレコーダーによって明確になるので、より精度の高い調査が可能になります。

389: 383,384 2005/10/13(木) 22:12:46 ID:Aa4EyrnQ
>>386
物理的な危険
先にも書きましたが、往来の激しい車道に飛び込んで写真を撮ります。
また、複数の警察官がやっている現場検証に近い事を1人でやります。
当然、交通整理なんてしてくれる人はいません。何度か車に轢かれそうになりました。

社会的な危険
保険金詐欺にからむ調査ですね。そのスジの人が多いらしいです。
それから、内容は詳しくは言えませんが探偵みたいな事もやりました。
ただし、今は個人情報保護法によって殆どやらなくなりましたが。
調査員は個人事業主なので、これらの事で問題が起きても自分でなんとかするしかないです。

精神的な危険
当事者から事故の状況を聴取する事です。
特に人身事故を起こしてしまって非常にナーバスな状態になっている人と真剣に話をしていると、こちらもおかしくなりそうです。
しかし何と言っても、これだけリスクのある仕事なのに報酬が異常に安い事が一番精神的に良くないです。

余談ですが、少し前に話題になったガードレールに挟まっている金属片。
アレが自動車がガードレールに接触した跡だと判明するまでに、いろいろな説が出てきましたが、
年間100件以上の事故現場を見ている調査員の間では常識でした。

390: おさかなくわえた名無しさん 2005/10/14(金) 01:46:20 ID:Pu01gKqw
マスターキートンが降臨しました

392: おさかなくわえた名無しさん 2005/10/14(金) 09:27:21 ID:7uL7xy0l
おもしろい!マスターキートン!
損保専門という事ですが、交通事故以外ってどんなのがあるのでしょうか?

394: おさかなくわえた名無しさん 2005/10/14(金) 15:49:09 ID:3Hbs+SDm
>>392
生命保険、医療保険、最近では介護保険もあるんじゃないかなあ。
うちの祖母が介護保険を申請した時は調査員らしき人が問診しに来たよ。

395: おさかなくわえた名無しさん 2005/10/14(金) 16:44:28 ID:phb1TY4I
マスターキートン興味深かった。ナルホド~。

396: 383,384 2005/10/14(金) 21:13:50 ID:f1M4BXhi
>>392
交通事故以外には盗難や悪戯等による損害がありますが、私は99%が交通事故です。
先に、探偵みたいな事もやる、と書きましたが、これも交通事による損害保険調査の一部です。
変装した事もありますw。何故そんな事までするのかは言えません。
それから、保険会社がそういうやり方を要求しているのではありません。
保険会社が欲しているのは調査結果であり、そのやり方は調査員の自己責任によります。

また、保険調査員と言うと保険契約者を疑う立場のように見られがちですが、
一番多い調査である交通事故、特に過失割合を出す場合には保険契約者の側に立つと言ってもいいでしょう。
とは言え、調査員はあくまでも事実のみを調査する者であり、証拠の捏造など許されませんから、
調査の結果によっては保険契約者の方が不利になってしまう事もあります。

397: 383,384 2005/10/14(金) 21:17:47 ID:f1M4BXhi
以前あった調査ですが、警察の仲介により全額を支払う事になった、という件でした。
その人に話を訊くと、相手は某運輸会社の大型車両で、事故直後には制服を着た数人が来て、あっという間に現場を片付け、その人を自宅に送り届けたとの事。
そして、誰かに聞かれたら大型車両側の運転手の言う通りです、と答えるようにと念を押されたとの事で、
その制服の人達は「○○ショの者です」と言っていたので、管轄の警察署ではないかとの事でした。
しかも○○ショの○○がよく覚えていない、という全くのんびりした(というか高齢の)人でした。
警察が民事に介入する事は絶対にありません。
念のため管轄の警察署で調べましたが、やはりそんな事故届けは受理されていませんでした。
この件は報酬を度外視して徹底的に調査しました。
そしたらやはり、「○○ショ」とは事業所のショであり、某運輸会社の事故処理班の所属する部署だったのです。
そして事故現場を調査したら、相手の方が分が悪い事も分かりました。
これらの事実を保険会社に報告しました。
ただ残念な事に調査員は結果を知らされる事は殆どありません。
この件も得られるだけの証拠は集めたから、後は保険会社の交渉力に期待するしかありません。でも相手は大物です。

念のため書いておきますが、某運輸会社の事故処理班は、わざわざ警察を装った訳では無いでしょう。
そんな事をしたら犯罪ですから。
ただ、相手が勘違いしているならそれでいいや、ぐらいの考えはあったのかも知れません。



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